日本国練習艦隊壮行会開催

 水交会は、前日と打って変わって晴天となった令和6514()に東郷記念館において日本国練習艦隊の壮行会を開催しました。

 壮行会では、実習幹部190名が水交会会員、海幕等の関係者及び水交会の友好団体等の多数の参加者の拍手の中、済々と入場しました。

 河野理事長は、開会のあいさつで江田島の教育と引き続き行われる練習艦隊の教育が旧海軍以来続けられていること、そして各部隊は喉から手を出るほど実習幹部の着任を待ち望んでいるけれども、そこを我慢させて、若い時の教育をしっかりやるという海軍の伝統が貫かれていること、これが海上自衛隊の基盤のみならず、人間としての基盤を作っていると、遠洋練習航海の重要性を説かれました。

 その後、練習艦隊の主要幹部の紹介に引き続いて、西山練習艦隊司令官からは現在の状況として、東京都内市ヶ谷地区を中心に研修を実施していることの紹介がありました。そして約半年にわたる遠洋練習航海は、11カ国13寄港地を西回りで世界一周する予定であるとの説明があり、特に今年は現在の情勢に鑑み、スエズ運河を通らずに世界を一周し、アフリカ大陸の南を回り、ケープタウンに初寄港となることなどが紹介されました。

 海上自衛隊からは、真殿海幕副長をはじめ、多くの指揮官、幕僚の参加を得ました。そして、友好団体として、隊友会や英霊にこたえる会等の関係者も多く参加頂きました。

 国会からは、佐藤正久参議院議員の代理の方の参加を得るとともに、激励文を頂きました。

 そして、平成23年度遠洋練習航海部隊指揮官である大塚靖國神社宮司から、何のために遠洋練習航海に行くのか、遠洋練習航海は瀬戸内海でやっている練習船実習とは全く異なり、単に副直士官になるために行くわけではなく、これから約30数年間、この制服を着て仕事をするのだという覚悟を決めてもらうための航海だと考えているとの壮行の辞がありました。特に、世界を見ることは大事なことで、外に出ることで自分を相対化でき、外に出れば出るほど日本の良さがよくわかるということが強調されました。

         壮行の辞をもって開始された壮行会では、実習幹部と会員、海上自衛隊の指揮官、及び招待者等がにぎやかな会話で盛り上がっておりました。90分の時間があっという間に過ぎ去りました。

 宴の終了前に、実習幹部代表から、帰国する際には皆さんに一回りも二回りも 大きくなった我々を見せたいという元気なあいさつがありました。

 終宴となり、実習幹部は参会者の拍手により見送られました。