【開催報告】第11回海洋安全保障シンポジウム「「我が国の海洋安全保障の未来―海洋状況把握(MDA)の課題―」第11回海洋安全保障シンポジウム開催のお知らせ

水交会は2024年12月17日、笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI)との共催で、第11回海洋安全保障シンポジウム「我が国の海洋安全保障の未来―海洋状況把握(MDA)の課題―」をハイブリッド形式で開催しました。
 このシンポジウムは現職の海上自衛官、海上防衛の現場での実務経験を有する水交会会員、海洋安全保障分野の研究者が忌憚なく議論するユニークなもので、今回が11回目となります。今回は海洋における情報収集の重要性が世界的に増すなか、各国が国を挙げてMDA体制の確立に注力している現状を踏まえ、我が国におけるMDAの現状や課題を把握するとともに、将来の様相を展望し、有すべき開発・運用の態勢や機能などについて議論しました。

 
基調講演を行う江川宏・海上自衛隊幹部学校長

 河野克俊・水交会理事長(元統合幕僚長)の開会挨拶の後、江川宏・海上自衛隊幹部学校長より、2001年9月の米国同時多発テロを契機に注目を集めるようになったMDAがその後時代の変化を受けて、単なる海洋安全保障にとどまらず、海洋環境保全なども包含する形で発展したことや、我が国をめぐる国際情勢が大きく変化したことにより、自衛隊としてもMDAを実効的なものとして取り組むことが求められていることなどについてお話しいただきました。
 続くパネルディスカッションでは、河上康博・笹川平和財団安全保障研究グループ長兼主任研究員(元防衛大学校国防論教育室長兼教授)がモデレーターを務め、江川学校長、落合健・いであ株式会社外洋調査事業本部上席研究員(元海上自衛隊幹部候補生学校副校長)、髙屋繁樹・笹川平和財団海洋政策研究所特任部長(元水産庁資源管理部漁業取締課長)、後瀉桂太郎・海上自衛隊幹部学校防衛戦略教育研究部主任研究開発官、防衛問題研究家の桜林美佐氏がMDAを取り巻く現状や課題、今後求められる取り組みについて、実務経験やご専門からご報告いただくとともに、参加者から寄せられた質問やコメントも交えた活発な議論が交わされました。

パネルディスカッションの様子

 最後に、閉会挨拶では角南篤・笹川平和財団理事長兼海洋政策研究所長より、さまざまなアクターとの連携・協力を提示している近年の本シンポジウムの取り組みを評価するとともに、基調講演者や各パネリスト、参加者の方々への感謝の意が表明されました。
 
 なお、今回のシンポジウムの詳細については、2025年4月1日刊行の『水交』陽春号でも紹介される予定ですので、ぜひご覧下さい。

【参考資料】
今回のシンポジウムの資料は以下のリンクよりPDF版をご覧いただけます。